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広瀬真咲 / 生態学 Biology of Masaki Hirose

Masaki Hirose Official Web

 
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ニパフ台湾ツアー②


ニパフ台湾ツアー②







3月20日

 



昨日とは別の早飯屋へ。昨日の店より美味しい。また朝から小龍包を食べる。おにぎりの中に揚げパンが入っているというのが理解できない。おいしいけど。豆乳は昨日の店は米のとぎ汁みたいだったが、この店は豆腐の汁だった。


 


昼まで時間があったので、またあの怪しい市場へ尾花さんを連れて行き、親切そうな兄さんの店を選んでお土産を買う。乾物を大量に売っている。そのあと地下鉄に乗り龍山寺へ行く。柱が電飾でできている。安っぽいが妙にケバケバしい人形が至る所でチンドン回転している。凄い。なんなんだろう。質素が美徳とされる日本の寺の考え方とは何かが根本的に違っている。洗練されてない庶民のエネルギー。


 




昼からは台湾當代美術館で、台湾のアーティストのパフォーマンスが行われる。台湾當代美術館は、つまり現代美術館。「阿彌陀佛!」という巨大な横断幕。張洹(ジャン・ホアン)の大々的な展示を開催中。霜田さんが足を引きずりエントランスで説明してくれる。なんだかすごいなあ。日本の現美は現美じゃないなあと思う。日本で前衛のパフォーマンスアートのこうした大々的な展示が公立美術館で開催されることはまずない。いつも現美は一昔前の作家を「前衛だ」といって(?)宣伝するから、私は最近美術館に行ってない。


 


 
その當代美術館の前のカフェテラスの広場でTIPAFのパフォーマンスが行われる。成るほど関連イベントというわけか。広場のすぐ前には交通量の激しい道路。ワタンの体を張ったパフォーマンス。氷の上に裸で横になり、その周囲を雑技団の兄さんが火棒を振りかざして舞踏する。霜田さんからカメラワークの指導を受ける。もうちょっとちゃんと撮影ができるようになりたい。カメラはどうも苦手で、いつも難しいと感じる。


 




予定していた時間よりも大分早くこのイベントが終わったので、張洹展を見た後、私は一足先にホテルへ戻る。どうも落ち着かないので近所で名物の「豆花」(ドゥ・ホア)を食べたりした。豆乳のプリンというが、これはオトーフそのものだ。


 







グーリンへ戻ると、皆ぞくぞくと集まってくる。




一番手から危険な気配が。いきなり外の道路で始まる。パフォーマンスにより車やバイクの通行が一時できなくなる・・だが裏通りで警察などが来る様子はない。次にレッドキャット(鄭詩雋)が劇場入り口にトラックで乗り上げ、木材をバラ撒き牢獄作成を始める。牢獄に入れられた観客はそのままトラックで街中へ搬送された。出だしからパニック状態で、圧倒されてしまった。



その後劇場に一同移動する。黒髪だが目が少し青いので、不思議な雰囲気のある張義旺(イワン・ジャン)。石と自分のパンツを交換して観客に渡すパフォーマンス。喜びさわぐ子供。私の出番になる。





パフォーマンスの時の状態はうまく言葉ではあらわせないけど、声域の限度を超えようと思ってやったら、最後の方にいつもよりも一段高いような、新しい声が出て、あれれ。前にキッドで初めて使用した角の生えたピンクの衣装と、あと黒田さんが気に入っている(?)鈴のついた足輪をつけて行った。しかし足輪は片方外れた。赤折り紙を丸めて一つ投げて、そこが何かの支点になり展開できないかなと思った。声を唱えていたら、そのうちどちらが観客席かまじで分からなくなって混乱した。

今から思えば、人でない状態に近づきたかったのかなあ。でもその状態に近づこうとする度に、足枷となる生身の人間。その度に普通の人間である自分。キッドやニパフでやった時には時間感覚は割と自覚的だったのに、この時はパニクってたのか、結構長めに行っていたらしい。後でそう尾花さんから聞く。終わったら「ヒロセサン、ツカレチャッタ」と日本語ができるスタッフに言われた。


 




ジョーが、バスタブに浸かり、壁に貼られた自身の香港人IDカードを消してゆく。彼女はなんとバスタブを飛行機で一緒に持ってきたのだという。金がかかるのではないか?と聞いたが、普通の預ける荷物の料金だった。とのこと。係員に嫌な顔をされたそうだが。何だか凄い。自分の中をイギリス人の血と香港人の血が流れているので、アイデンティティが自分は分からない。だからIDカードを消した。と。


 



本当に素晴らしかった霜田ファミリーのアルミホイル人間パフォーマンス。全く男の子というものは(何歳になっても?)ボール投げたりする危険な行為が好きだよな。だから親子でキャッチボールをするのかね。アルミホイルのいたずらみたいな衣装?は、霜田さん的でないなあ、音吉君っぽい(少年の遊びみたいな感じがする)なあと思った。でもアルミホイル人間はカッコいいかもー。


 




トラックの荷台に乗せられ夜市の屋台で打ち上げ。私はスケジュールが合わず明日出発する高雄には行けないので、霜田さんがフォローして下さり皆にお別れを言う。



ここで市場で売られていたカエルの正体が分かる・・カエル肉の野菜炒め。あ、ほんとに食べるんだー。黒田さんはカメラを向けるとおちゃめなポースを取る。声(喉)は大丈夫なんですかねー?と言われる。



ホテルに戻っても出演アーティストで集まりまだ打ち上げをする。フォン・チャオ大先生に、時間が長いと眠くなる(私のパフォーマンス)ので、もっと短い方がいいと謂われる。尾花さんも熱心にアドバイス(?)を聞いている。チェンが日本語で通訳する。他のアーティストが、私の角の生えた格好について、聞いてくる。中国では牛は食べられる対象、犠牲の象徴だから・・と言われて、はっとなる。


 



3月21日


 



朝グーリン前でバスに乗る高雄組に別れを告げて、この日は一日台北を見て回る。少しでも多く台湾の事を知りたい。茶芸館で食べた茶菓子の餅が一番おいしかったなあ。連日朝から小龍包を喰って胃もたれし、あまり食欲がない。地下鉄を駆使し、古い街並みが残る市街北部の孔子廟、大龍峒保安宮へ行く。昨日の龍山寺とは違って、境内は厳粛な雰囲気。太極拳を行う夫婦。道脇に怪しげな、閻魔様のような仏像が沢山祀られた祠が。




台北市立美術館に行く。しかし周辺が上海万博会場分館建設中なせいか、やる気の無いコレクションだった。建設に関連してリチャード・ロジャースの建築展をやっている。こちらは建築科学生や建築の仕事をしている風な人達で賑わう。



最後に士林の夜市に行く。竹下通りみたいな、かなり半端ない量の人出。若者ばかりだ。服が異常に安い。食べ物、つまみ、中華、たこ焼き、おでん、なんでも売ってて、凄い匂いが充満している。私はただただ圧倒され、とりやえずスイカのジュースだけ啜って人の流れに揉まれる。こんなお祭りみたいな事を台北では各所で、しかも毎日やっているのか。射撃やパチンコなど、うさんくさいゲームが一杯ある。下北沢みたいな古着屋のテントに、占い屋が軒を連ねる。土産物屋の隣にペットショップがあって、こんなに暑いのに、本当に可哀想だった。駅のホームには、異常にカラフルな寿司が売られている。


 



3月22日


 



朝早くの便に乗り帰国。


 



そういえば最近は仕事の帰宅が夜中になってしまうことが多く、体操したり研究したりする時間が無いのは良く無いことだ、それが最近の声のパフォーマンスをどういう方向に投げたらいいのかが分からない原因なのかな。でも以前よりパフォーマンスに集中して活動している気がする。今回の休みを取るのも大変だったけど、ジョーの故郷の香港にも行きたいなあ。アナの映像を見てメキシコにも絶対行きたい!などとまた虫のいいことを考えている。と言ったら霜田さんが虫のいいことを考えるのがアーティストの仕事。と言う。普段はこれといって面白くもない仕事をしているのに、なんだか凄いことになってきたなあ~、と思う。

maja


 


 

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プロフィール

広瀬真咲 Masaki Hirose

Author:広瀬真咲 Masaki Hirose
パフォーマンス・アート、絵画、
インスタレーション

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Masaki Hirose
Art works: Performance art & painting

[contact/ Masaki Hirose]
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